2018年度の病院総合医に関連する学会・組織:制度の問題

小西 竜太先生作成スライドを許諾を得て掲載:2018年12月


現在までの経緯

-病院総合医養成プログラム認定試行事業-

 病院総合医の認定に関しては、旧日本総合診療医学会で検討が重ねられた結果、「病院総合医後期研修プログラム(案)」が作られました。その内容は三学会合同会議の認定制度検討委員会に引き継がれ、制度化の検討が進められ、細則案が作成されました。この細則案は、病院総合医の認定に関してまず整備すべき制度として、家庭医療専門医(新学会の専門医として最初に整備された)を取得後に研修すること、つまり後期研修後のフェローシップ的な位置づけを前提としていました。これは、新学会の専門医制度を家庭医と病院総合医に分けずに一本化するという、三学会合同会議での合意に基づいたものでした。
 三学会が合同した後に、この細則案をたたき台として、病院総合医WGや、病院総合医部会、そして理事会の徹底討論会などで検討を重ねました。その結果、病院総合医の認定制度については、当学会が単独で進めるよりも、内科学会などの関連学会との協議を進め、将来的には学会の認定医制度ではなく、学会とは異なる機関による認定を目指すべきであるという意見でまとまり、まず関連する最大の学会である日本内科学会と協議する方針が2011年3月6日の理事会で承認されました。
 しかし、その後の内科学会との協議では、趣旨については賛同が得られたものの、日本専門医制評価・認定機構の方針が不明確である等の理由により、正式な話し合いを開始するまでに時間をかけたいという回答があり、当面の進展は望めないことが明らかとなりました。
 これらの経緯や状況を踏まえて病院総合医WGと病院総合医部会で更に検討した結果、プログラム認定を試行事業として先行させることが提案され、2011年11月26日の理事会で承認されました。その後も、理事会、そして病院総合医部会と病院総合医WGの合同会議などで、この試行事業の具体的な進め方について検討を重ね、病院総合医部会と病院総合医WGの委員全員が参加する「認定作業担当班」が学会事務局と協力して実施することになりました。以下に、この試行事業の概要をお示しします。